熱中症狂想曲
肌寒く長い梅雨が明けた途端に、猛暑&熱帯夜の日々が続いています。
早くも夏バテしたり、夏風邪をひいている方も多いのではないでしょうか?
テレビなどでは、熱中症で病院に搬送されたり、死者が出たりしたことを報道しています。
また、その対策として、こまめな水分補給と塩分補給、涼しいところで休息する事を盛んに伝えています。
亡くなられる方もいるのですから気を付けなければならないのは当然ではあります。
が、その一方で「水分補給」や「塩分補給」が騒がれ過ぎてはいないか?と違和感を覚えてもいます。
私自身も、以前このブログでこれらが重要だと書いたのですが、少し誤解されている方が多い気がするので、改めて少し書いてみたいと思います。
そもそも熱中症とは、体温の上昇によって体温調整機能のバランスが崩れ、体内に熱が溜まってしまう事で起こる体の異常の事を言います。
ですから、一番の対策は「体を冷やす事」に他なりません。
「水分補給が大事」というのは、汗として体外へ放出される水分を補充する事が一番の目的であり、補給する水分で体を冷やす、というのは二次的効果と言えます。
汗は体内の水分と熱が一緒に放出され、更に蒸発する時の気化熱で体表の熱を下げる働きがあります。
そして、以前のブログで書いた通り、汗を出す汗腺はあまり使わないと機能が低下し、汗腺がしっかり働かなければ汗はあまり放出されず、当然体温を下げられません。
汗腺が働かない状態でいくら水分補給をしても、尿として出るか、或いは体の中に蓄積されて浮腫みに繋がるかのどちらかです。
まずは、汗腺をしっかり働く状態にする事が何よりです。
そして、「塩分補給」についてです。
こちらも、汗として水分と共にNaなどの電解質が放出されるから、それを補うために摂りましょう、という事なのですが、日本人の多くは、食事から摂取する塩分が多い、という事が以前から指摘されています。
「和食」は健康食として今や世界中から「健康食」、「文化」として注目されていますが、唯一、塩分濃度が高い事だけがネックと言われています。
塩分の取り過ぎは高血圧の原因となり、それが心筋梗塞や脳卒中に繋がることは既に周知の事実です。
高血圧を心配して減塩の味噌や醤油を使う一方で、熱中症対策で塩飴を舐める。
何だかおかしな気がするのは私だけでしょうか?
更に、「いつもスポーツドリンクをたくさん飲んでるから大丈夫。」、「エアコン掛けっ放しの部屋にずっといるし。」なんて人、周りにいませんか?
確かにスポーツドリンクの中には、塩分やミネラル分も入ってはいます。
しかし、それ以上に糖分が入っている事はご存知でしょうか?
その量、500mlのペットボトル1本に角砂糖10~15個分。
たとえ炭水化物抜きダイエットをしたとしても、とても賄いきれる量ではありません。
また、ずっとエアコン掛けっ放しの部屋に籠っていたら、自律神経が不調になるのは目に見えています。
熱中症対策は大事な事ではあります。
しかし、他の疾患に対する対策も同様に大切な事をお忘れなく。
コメント
この記事へのコメントはありません。
コメントをどうぞ